やさしいコミュニケーション
この動画を見た時、「おぉ~!これは共感だ~!」と思って、このCMの秀逸さに感動しました。
それを勝手に解説したいと思います。
まずはこちらの動画を見てください。
天使のはねランドセルのセイバン【公式】
【セイバン公式】ランドセル選びドキュメンタリー篇
※削除依頼があった場合は、動画リンクを削除します
「泣ける」と話題の動画と評判のようです。
わかります。わたしも泣きました~!
このブログを書いているときも、テキストを書き起こしながら涙が出ました~。
ランドセルを選ぶ
こどもたちにランドセルを選んでもらうところから始まり、保護者は別室でその様子をモニターで見ています。
そこで、保護者にこのような質問があったのだと思います。
「何色を選ぶと思いますか?」
「ピンクが好きやから、多分ピンクを選ぶと思います」
「あんまり明るい色でなければ、本人の自由に選べばいいかなと思います」
「長い目で見て、汚れが目立たなそうなベージュを選んでほしいなって思っています、私は」
「みなさんと同じような黒かなという思いもあったりはします」
「ミントグリーン、私も大好きだし、もねちゃんもとっても大好きだと思います」
「赤じゃなかったらいいかな」「特にないけど、難しいな」
保護者が意見を述べたあと、こどもが何色を選んだのかがわかり、それを見ている保護者は「うんうん」とうなずいたり、満足げな表情のシーンが流れます。
そこで保護者に手紙が渡されます。
「選んでもらったのは、自分が使いたいランドセルではありません」
えー!そうなんですか?
「保護者の方が、選んでほしそうだと思うランドセルを選んでもらいました」
「ママはね、ピンクがね、かわいいっていつも言うし、そう思ってね、それのランドセルにした」
「パパが好きかと思う。だってかっこいいから」
「ここのキラキラのところがママが好きそうかなと思いました」
「好きと思うで、ママ」
「お父ちゃん、黒が好きなんかなと思ってたの」
「こことか好きかなって思った」
「次は本当に自分が使いたいランドセルを選んでもらいます」
走っていったり、嬉しそうな顔で「これ!」と明確に選ぶ姿。
「ワクワクドキドキする」
「これがいい、ピンクのやつが好き」
「ピンク色、かわいい」
保護者は、こどもが自分で選んだランドセルを見たとき
「ピンク?本人が嬉しそうにしていたのでピンクもかわいいなと思いました」
「背負っていくんかなと思うと胸が熱くなる」
「もうこんな大きくなったんやなって、背負える歳になったんやなって」
「かっこいいやん!」
「似合ってるやーん」
「おー、すごいすごい、似合ってるよ」
自分で選ぶこと。
キミが好きなの、キミが選ぼう。
ーーーーー
ここからは私の見解です
「保護者の方が選んでほしそうだと思うランドセルを選んでもらったとき」のこどものコメント(黄色の部分)が、こどもが保護者に共感している場面です。
※ここでいう共感という言葉は相手に同調することではなく、「相手はこれが好きかな?」と推測することと定義します。
ここで保護者は、こう思ったのではないでしょうか。
「わたしの好みをわかってくれているのね」
「わたしの希望を想像してくれたのね」
このとき、保護者はこどもから共感(気持ちを推測してもらうこと)を受け取り、こころに余裕が生まれます。
こどもが自分の好きなものを推測してくれたことで、
「わたしのことをわかってくれている(わかろうとしてくれている)」と知り、
これによって保護者は思いやりを感じたのではないでしょうか。
その後、こどもが自分の好きなランドセルを選ぶ時には、こどもが自分に共感(推測)してくれた後なので、保護者のこころには余裕がうまれ、こどもの選択を受け入れるスペースが整っています。
相手が自分の気持ちを推測してくれると気持ちに余裕が生まれる
一番最初に(水色の部分)、インタビューとして保護者は自分の意見を聞いてもらっています。実はここも重要。
1.保護者は自分の意見を言う(聞いてもらえる)水色
2.こどもが自分の好みを推測してくれる(共感を受け取る)黄色
3.(保護者は気持ちに余裕が生まれて)こどもが自分で選ぶ好きなランドセルを受け入れることができる 緑
この3つのプロセスが、シンプルで、コンパクトで、わかりやすくて、感動しました。
こどもは、先に保護者の好きな色を推測したことで、そのあと自分の意見(選ぶもの)を保護者に尊重してもらうことができます。
こどもは、自由や楽しみ、自分で選ぶこと、認めてもらうこと、尊重してもらうこと、受け入れてもらうこと、などが満たされたのではないでしょうか。
めちゃくちゃ秀逸な流れです。
保護者は、こどもが自分の好みを理解してくれているとわかった後に、こどもが本当に自分の好きなものを選んだときのイキイキとした嬉しそうな表情を見たら、それを尊重したくなるでしょうね。
だって、こどもには幸せになってほしいですもんね~!
これを作った人に会って話を聞きたい。本当に素晴らしい!
相手に「共感」してもらうことって、本当に嬉しいことなんです。
もし、最初からこどもに「好きなの選んで」という流れだったら
例えば1(水色)こどもは何色を選ぶと思いますか?という質問と、2(黄色)こどもが保護者の好みを推測する場面、のプロセスがなくて、3(緑)こどもに「好きなランドセルを選んで」だけだと、こどもが好きなものを選んだら、保護者は自分の意見を言いたくなることもあると思うんです。
「え~、白は汚れが目立つから、濃い色にしたら?」とか、「わたしはピンクがかわいいと思うな~」とか。
そこで起きていることは、ちいさな「対立」です。
こどもに「好きなのを選んで」と言ったのに、後から違う意見を言うこと。
普段ありがちな光景だと思います。
ささいなことだけど、コミュニケーションとしてお互いが気持ちよく過ごせるかというと、不満やしこりが残りませんか?
これが積み重なると、
「どうせ言っても受け入れてもらえない」
「結果的にいつも親が決める」
「自分の意見は通らない、わかってもらえない」
という経験を学習していきます。
ところが、今回のランドセル選びの方法を使うと、保護者が自分の意見を通さなくても、自然とこどもの選択を受け入れることができていましたよね!
それが「共感」のちからです。
この方法はコミュニケーションに使える!
先に相手の意見を聞いて、相手に共感して、相手に余裕が生まれると、自分の気持ちや希望を伝えやすくなります。
このランドセル選びの流れって、日常に使えると思いませんか?
通常のコミュニケーションは、「相手にわかってほしい!理解してほしい!」と思うがあまり、まず自分の意見を先に言ってしまいます。
でも、先に相手に余裕を与える。
相手にスペースができてから、自分のことを話す。
「まずは与えよ」ですね。
これができるようになったらいいな~!と思いませんか?
それが、なんと!
コネクション・プラクティスを受講すると、これができるようになります。
コネクション・プラクティスは、パート1~3までのコースがありますが、パート3でこの手法が出てきます。
この動画をみたとき、「おぉ~!これは共感だ~!」と思ったのは、こういう理由からです。
(コネプラでいう「共感」というのは、相手に「わたしも一緒~!」と同調することではなくて、感情とニーズを推測することという定義で使用します。)
こういうふうに
・日常的に使える手法で、
・相手との関係に対立が起きにくいコミュニケーションを取ることができたら
・相手に優しくできたり、
・イライラしなくなったり、
・ストレスが減ったり
・今起きている問題が解決したり
・社会は今より平和になったりする
と思いませんか?
これが、私がいま夢中の、コネクション・プラクティスの一部です。
あくまでも一部ですが、コミュニケーションの方法はいたってシンプルです。
コネプラを練習して、いまの自分を見つめることができるようになると、=マインドフルネスな状態になります。
友達や家族、所属するグループや職場など、人間と接するあらゆる場面で使えます。
メンタルケア講座として開催していますので、興味のある方はお問合せください。